エンディングノートのメリット・デメリットは何ですか?
1 エンディングノートとは
エンディングノートは、自身の終末期や死後についての希望をまとめたものです。
具体的には、今後の生活に関する希望、終末期医療に関する希望、遺産の引き継ぎに関する希望、祭祀法要に関する希望、残された親族に対する希望をまとめたものになります。
今後の生活に関する希望としては、自宅での生活を希望する、どこの介護施設での生活を希望するといったものになります。
終末期医療に関する希望としては、治療の方針に関する希望、安楽死や尊厳死に関する希望が考えられます。
遺産の引き継ぎに関する希望としては、誰にどの財産を引き継ぐか等が考えられます。
祭祀法要に関する希望は、祭祀法要にどこまでの親族の参列を希望するか、どのような方式で執り行うか等です。
残された親族に対する希望は、二次相続以降の相続についての希望、残された親族の扶養に関する希望等です。
このように、エンディングノートでは、自身の終末期や死後についての希望を幅広く記載することができます。
2 エンディングノートのメリット
遺言については、相続財産の引き継ぎ方等、一定の事項しか、有効に記載することができません。
これに対して、エンディングノートでは、自身の希望を記載したものであり、様々な事項を記載することができます。
相続財産に関することに限らず、終末期に関する希望、残された親族に関する希望も記載することができます。
また、遺言については、自筆で作成する場合は、全文、日付、署名を自書し、押印する必要がありますし、公正証書で作成する場合は、公証人に作成を依頼し、一定の手数料を支払う必要があります。
記載の仕方についても、ある程度定まった文言を用いなければ、有効なものとは認められないリスクが生じてきます。
これに対し、エンディングノートは、あくまでも希望を記載したものですので、手続や文言についてのルールに縛られることなく、作成することができます。
作成にあたって、手数料を支払う必要もありません。
3 エンディングノートのデメリット
ただし、エンディングノートは、あくまでも希望を記載したものにとどまりますので、原則として法的な拘束力はありません。
エンディングノートを見た親族が、エンディングノートの内容を尊重し、その通りにするかどうかについては、親族の判断に委ねられてしまいます。
記載内容について、親族等に対する拘束力を持たせたいのでしたら、有効に記載できる事項は限定されますが、遺言を作成するべきでしょう。
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