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相続での不動産の評価方法

  • 文責:弁護士 寺井渉
  • 最終更新日:2024年3月8日

1 相続での不動産評価の問題

相続では、不動産をどのように評価するかが問題となることがあります。

ここでは、不動産の評価方法について、代表的なものをご説明したいと思います。

2 固定資産税評価額

各不動産には、各市町村役場において、毎年、固定資産税評価額を付けられています。

固定資産税評価額は、各市町村役場の固定資産税課で確認することができますし、他の相続人に提示するために、役場において証明書を発行してもらうこともできます。

また、毎年4月頃に市町村から送られてくる固定資産税納税通知書にも、固定資産税評価額が記載されています。

固定資産評価額については、そのまま、相続における評価額として利用されることも多いです。

もっとも、市街地の宅地については、固定資産税評価額が公示価格のおおむね70%に設定されているため、10/7をかけて評価額の修正計算を行うこともしばしばあります。

固定資産税評価額については、路線価方式における補正のための計算で考慮されているような事項をおおむね考慮した上で定められています。

一定の倍率をかければすぐに不動産の評価額を算定することができるため、面倒な計算を行う必要がないという利点があります。

3 路線価

路線価とは、道路に価格をつけ、その道路に面している土地を、その価格に基づいて評価したものです。

路線価は、税務署の資産税課に備え付けられている路線価図で確認することができます。

また、国税庁のホームページにおいても、路線価図を見ることができます。

参考リンク:国税庁・財産評価基準書路線価図・評価倍率表

ただ、全国のすべての土地が路線価で評価されているわけではありません。

路線価は主に市街地の宅地について定められており、郊外や農村部の土地は、路線価が定められていないことが多いです。

路線価に基づいて評価額を算定するに当たっては、様々な補正のための計算を行う必要があります。

このため、算定に手間がかかったり、補正計算の見逃しが生じたりすることが多く、路線価を評価できる専門家の手を借りた方が良いことも多いです。

4 鑑定

不動産の評価について争いがある場合は、不動産鑑定士を鑑定人に選任し、不動産の価額を評価することになります。

鑑定の際は、何十万かの費用が必要になります。

このため、不動産の価格がさほど高額ではない場合や、鑑定を行ったところで路線価格との大きな違いが生じることが見込まれない場合は、あまり鑑定を行う実益がなかったことになる可能性もあります。

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